筋トレを始めたばかりの方から上級者まで、家トレ派にとって頼れる相棒となるのが可変式ダンベルです。この記事では、可変式ダンベルの基礎から活用法、ジムではできない家トレならではの使い方、さらにはセット法や推奨アイテムまでを徹底解説していきます。
可変式ダンベルとは?
可変式ダンベルとは、1つの器具で重量を変えられるダンベルのこと。一般的な固定式ダンベルは重量ごとに1セット必要ですが、可変式であればダイヤルやピンの調整だけで重さを変更可能。これにより、省スペースかつ効率的なトレーニング環境が整います。
1.ダイヤル式ダンベル(Selectorized Dial Dumbbell)
正式名称・呼び名:
- 英語表記:Selectorized Dumbbell with Dial System
- 通称:「ダイヤル式可変ダンベル」「可変式ダンベル(ダイヤルタイプ)」
- 代表商品:Bowflex(ボウフレックス)・PowerBlock(新型)など
特徴・メリット:
- ダイヤルを回すだけで重量調整が可能(例:2kg刻みで変えられる)
- スムーズかつ素早く重量変更ができるため、ドロップセットやスーパーセットに最適
- デザインがスタイリッシュで人気が高い
- 収納性が高く省スペース
2.ブロック式ダンベル(Selectorized Pin Dumbbell / Block Dumbbell)
正式名称・呼び名:
- 英語表記:Selectorized Dumbbell with Pin / Block Dumbbell
- 通称:「ブロック式可変ダンベル」「パワーブロック(商品名)」
- 代表商品:PowerBlockシリーズ
特徴・メリット:
- ピンを差し替えることで重量を変更するタイプ
- 四角いブロック形状で安定性が高く、ベンチプレスなどでブレにくい
- 重量幅が広く設定されており、本格派トレーニーにも対応
- 丈夫で長持ちする構造が多い

3.プレート付け替え式ダンベル(Spinlock Adjustable Dumbbell)
正式名称・呼び名:
- 英語表記:Spinlock Adjustable Dumbbell / Plate-loaded Dumbbell
- 通称:「プレート式ダンベル」「スピンロック式」「ネジ式可変ダンベル」
- 代表商品:アイロテック、Woutなど
特徴・メリット:
- シャフトにプレートを付け外しして重量を調整するアナログタイプ
- コスパが最も高く、安価で重量の拡張性も高い
- 構造が単純なので故障が少なく耐久性が高い
- 重量の自由度が高く、細かいカスタマイズが可能

選び方のポイント
種類 | 重量調整速度 | コスパ | 耐久性 | おすすめ用途 |
---|---|---|---|---|
ダイヤル式 | 非常に速い | 中〜高 | 中 | 初心者〜中級者、時短 |
ブロック式 | 速い | 中 | 高 | 中〜上級者、安定性重視 |
プレート付け替え式 | 遅い(手動) | 高 | 非常に高い | コスパ重視、本格派 |
可変式ダンベルのメリット・デメリット
メリット
- 省スペース:複数の固定式ダンベルを置く必要がなく、1セットで完結。
- コスパが良い:長い目で見れば、買い足しが不要な分、経済的。
- 瞬時に重量変更が可能:ドロップセットやスーパーセットなどのセット法に最適。
デメリット
- 本体がやや大きめ:高重量に対応するタイプはサイズが大きく、種目によっては扱いにくい。
- 価格が高め:初期投資としてはやや高めだが、長期的にはお得。
具体的な活用法
可変式ダンベル一つで、以下のような全身トレーニングが可能です:
- 上半身:フロアダンベルプレス、フロアダンベルフライ、ショルダープレス、ワンハンドロウなど
- 下半身:ゴブレットスクワット、ブルガリアンスクワット、カーフレイズなど
- 体幹:ロシアンツイスト、ダンベルウッドチョッパーなど
種目を組み合わせて自分だけのフルボディワークアウトも組めます。
(ダンベルを使った全身トレーニング参考動画)
(ダンベルを使った胸のトレーニング参考動画)
(ダンベルを使った背中のトレーニング参考動画)
(ダンベルを使った肩のトレーニング参考動画)
(ダンベルを使った脚のトレーニング参考動画)
家ならではのメリットを活かそう
ジムでは「長時間ダンベルを占有しない」「汗を拭く」「静かに使う」「ダンベルを2セット以上占有禁止」などのルールがありますが、自宅トレーニングでは時間やルールに縛られず自由自在。可変式ダンベルを使えば、以下のようなメリットが得られます:
- セット間のインターバルを短くし、スーパーセットやHIITを効率的に実施可能
- 好きな音楽や動画を見ながら、集中力アップ
- 時間帯を選ばず、24時間トレーニング可能
ダンベルでできる多彩なセット法|目的別に筋肉を効果的に刺激しよう
自宅トレーニングで成果を出すには、単なる種目の反復だけでなく「セット法」の工夫が不可欠です。ここでは、可変式ダンベル1つで実践できる8つの代表的なセット法を、目的・特徴・生理的効果とともに詳しく解説します。
1. スーパーセット|拮抗筋(動作している筋肉の反対の筋肉)を効率よく鍛えて筋バランスを整える
特徴:
2つの拮抗する筋肉(例:胸と背中、二頭筋と三頭筋)を、休憩なしで交互に鍛えるセット法。
例:
- ダンベルベンチプレス(胸)→ ワンハンドロウ(背中)
- アームカール(二頭筋)→ キックバック(三頭筋)
メリット:
- 表と裏の筋肉を交互にトレーニングするのでインターバルを短くできる事でトレーニング時間を短縮できる
- 筋肉のパンプ感が強まり、筋肥大に効果的
- 表と裏の筋肉を交互にトレーニングする事で筋肉のバランスが整い、ケガ予防にもつながる
生理的効果:
筋内の代謝ストレスが高まり、成長ホルモンの分泌が促進。表の筋肉をトレーニングしている際に反対の筋肉が休息できる事で短時間で効率よく筋肉を刺激できます。
2. コンパウンドセット|同じ部位を2種目連続で刺激して筋肥大を狙う
特徴:
同一部位の異なる種目を連続で実施し、特定の筋群を集中的に追い込む方法。
例(肩):
- ショルダープレス → アーノルドプレス 例(脚):
- ゴブレットスクワット → ブルガリアンスクワット
メリット:
- 同一筋群を多角的に刺激できる
- 短時間で強烈なパンプ感と筋破壊が得られる
- 自宅でも集中的なトレが可能
生理的効果:
局所的な血流制限と筋疲労の蓄積により、筋肥大のシグナルが高まりやすくなります。
3. トライセット|1部位(同じ部位)を3種目連続で多角的に刺激し筋肉の密度を高める
特徴:
同じ部位に対して3種目を連続で行う高ボリュームトレーニング。
例(肩トレ):
- ショルダープレス → アーノルドプレス → サイドレイズ
メリット:
- 一つの部位を全方向から刺激できる
- 筋肉の持久力とボリュームアップを両立
- 可変式ダンベルなら負荷変更もスムーズ
生理的効果:
筋グリコーゲンの枯渇+血流制限による代謝ストレスが、筋肥大に強く作用します。
4. ジャイアントセット|限界突破で全身を追い込むアスリート級メソッド
特徴:
同一部位または全身を、4種目以上連続で行う高強度トレーニング。
例(脚トレ):
- ゴブレットスクワット → ブルガリアンスクワット → ダンベルデッドリフト → カーフレイズ
メリット:
- 強烈な追い込みで筋力と心肺機能を同時に向上
- 自宅で周囲を気にせず本格的な追い込みが可能
- 筋持久力もアップ
生理的効果:
筋疲労の蓄積により筋繊維の破壊→修復サイクルが促進され、筋肥大・筋持久力の両立が可能。
5. サーキットトレーニング|脂肪燃焼と筋トレを同時に叶える万能法
特徴:
全身を使った複数の種目をインターバルなしで連続実施し、複数セット繰り返す。
例:
- スクワット → プッシュアップ → アームカール → ワンハンドロウ → クランチ
メリット:
- 有酸素と筋トレの融合でダイエットに最適
- 時間がない日でも全身を効率的に鍛えられる
- 心肺機能強化にも有効
生理的効果:
高心拍数を維持しながら筋肉刺激を継続することで、脂肪燃焼効率とミトコンドリア密度の向上が期待できます。
6. HIIT(高強度インターバルトレーニング)|短時間で最大効果!
特徴:
20秒の全力運動+10秒の休憩を繰り返す、短時間・高強度トレーニング。
例:
- ダンベルスイング → スクワットプレス → バーピー → マウンテンクライマー
メリット:
- アフターバーン効果で運動後も脂肪燃焼が続く
- 有酸素が苦手な人にもおすすめ
- 自宅で数分で完結する時短メニュー
生理的効果:
- EPOC(運動後過剰酸素消費)により、最大48時間にわたって脂肪が燃焼されます。
(HIIT参考動画)
(HIIT参考記事)

7. ディセンディングセット(ドロップセット)|限界からさらに追い込む!
特徴:
高重量からスタートし、限界まで行ったらすぐに重量を下げて続行するテクニック。
例(ベンチプレス):
- 16kg(6回)→ 12kg(8回)→ 8kg(10回)
メリット:
- 限界を超えて筋肉を徹底的に追い込める
- 筋持久力と筋肥大の両面にアプローチ
- インターバル不要でトレ強度を最大化
生理的効果:
筋繊維の“全動員”と高ストレス状態の継続により、筋肥大のスイッチが強く入ります。
8. アセンディングセット(ピラミッドセット)|ウォームアップと筋肥大を両立
特徴:軽→中→重と段階的に重量を増やす方法。逆にする場合は「ディセンディングセット」。
例(ベンチプレス):
- 10回(8kg)→ 8回(12kg)→ 6回(16kg)
メリット:
- ウォームアップしながら自然に強度を高められる
- 怪我リスクを抑えながら最大限の負荷をかけられる
- 初心者〜上級者まで使える汎用性の高さ
生理的効果:
筋肉と神経のウォーミングアップ効果により、より高強度での刺激が安全に可能となる。
可変式ダンベルのポテンシャルを最大限に活かすなら、**アジャストベンチ(角度調整できるトレーニングベンチ)**の導入がおすすめです。
- インクラインベンチプレス:胸上部を狙える
- リバースフライ:背中トレに最適
- スプリットスクワット:脚トレの強化にも活躍
これ一台でトレーニングのバリエーションが爆発的に広がります。
(アジャストベンチ参考URL)
まとめ:家トレ×可変式ダンベルは最強の組み合わせ!
可変式ダンベルは、限られたスペースでもジム顔負けのトレーニング環境を作れる最強アイテムです。セット法やアジャスタブルベンチとの組み合わせにより、家トレの可能性は無限大。ルールに縛られず、自分だけのトレーニング空間を自由に作り上げましょう。