近年のフィットネス界では、「胸の日」「脚の日」といった分割法(スプリットルーティン)が長らく主流でした。しかし今、再び注目を集めているのが「フルボディトレーニング(全身トレーニング)」です。
「効率よく筋肉をつけたい」
「週3回程度のトレーニングで結果を出したい」
そんな人にこそ、フルボディトレーニングは理にかなった選択肢となりつつあります。
本記事では、最新の科学的研究やトレンドをもとに、フルボディトレーニングの効果とメリット、具体的な実践法まで詳しく解説します。
🔍 フルボディトレーニングとは?【全身を一度に鍛える筋トレ法】
フルボディトレーニングとは、1回のトレーニングで上半身・下半身・体幹など、全身の筋肉をまんべんなく鍛える方法です。
✔ 主な種目の例:
• スクワット(下半身+体幹)
• ベンチプレス(胸・肩・腕)
• デッドリフト(全身)
• 懸垂(背中・腕)
• プランク(体幹)
これらのコンパウンド種目(多関節運動)を中心に構成するのがポイントです。
📊 科学的根拠:なぜ今、全身トレーニングが再評価されているのか?
最新の研究では、筋肥大において「トレーニング頻度」が大きく影響することが分かってきました。
✅ 代表的な研究結果(Schoenfeld et al., 2016)
• 各部位を週1回鍛えるよりも、週2~3回鍛えた方が筋肥大効果が高い
• フルボディを週3回行う方が、分割法よりも短期間で効果が出やすい
つまり、「脚は週1だけ、胸は週2」というよりも、全身を何度も刺激したほうが成長しやすいというわけです。
さらに、2024年以降のトレンドとして「筋トレ×時間効率」が注目されており、フルボディのような少ない頻度・高効果のトレーニングスタイルが支持を集めています。
✅ フルボディトレーニングのメリット5選
メリット | 内容 |
---|---|
時間効率が高い | 忙しい人でも週2〜3回でOK |
全身のバランスが整う | 偏った筋肉の発達を防げる |
回復のリズムが整う | 筋肉ごとの過度な疲労が少ない |
ケガ予防に効果的 | 基礎的な動作を中心に行うため安全 |
初心者〜上級者まで対応可能 | 種目や負荷を変えるだけで誰でも実践できる |
💡 実際のフルボディトレーニング例(週3回プログラム)
曜日例:月・水・金
◉ 各日共通の基本メニュー:
- スクワット 、レッグプレス(8〜10回 × 3セット)
- ベンチプレス 、プッシュアップ、チェストプレスなど(10回 × 3セット)
- 懸垂 or ラットプルダウン、ロウイングなど(限界まで × 3セット)
- デッドリフト or ヒップスラスト(6回 × 3セット)
- クランチ、アブドミナルマシン(10回× 3セット)
フォームを重視し、1日60分以内に収まるメニュー構成です。
全身法トレーニングの工夫と応用、週3回でも偏りを防ぐメニューの工夫とは?
全身法の落とし穴?特定部位が手薄になる可能性も
全身法(フルボディワークアウト)は、1回のトレーニングで全身を効率よく鍛えることができる優れた方法です。しかし、1日に全身を鍛えるとなると、どうしても特定の筋肉部位が手薄になることもあります。たとえば、大胸筋の中部ばかりに刺激が偏ってしまったり、背中の広がりばかりを意識しがちだったりといったケースです。
このような偏りを防ぐには、週単位で種目にバリエーションを持たせるのが効果的です。
週3回全身法なら「種目の変化」がカギ
たとえば、週に3回フルボディのトレーニングを行う場合でも、毎回同じ種目を繰り返すのではなく、刺激を与える部位の角度や方向を変えていくことがポイントです。
✅ 胸(大胸筋)の場合
- 1回目:ベンチプレス(中部)
- 2回目:インクラインベンチプレス(上部)
- 3回目:デクラインプレスやダンベルフライ(下部・アイソレート)
このように変化を加えることで、大胸筋全体に満遍なく刺激を与えることもできます。
✅ 背中の種目もローテーションを
- 1回目:ラットプルダウン(広がり)
- 2回目:ベントオーバーロウやケーブルロウ(厚み)
- 3回目:懸垂やTバーロウなど複合的な種目
背中も広がりと厚み、両面から刺激を与えることでバランスよく発達させられます。
アイソレート種目を組み合わせて「弱点補強」
全身法は基本的にコンパウンド種目(多関節種目)が中心になりますが、特定の筋肉を強化したい場合は、アイソレート種目(単関節種目)も併用するのがおすすめです。
例:
- ベンチプレス(コンパウンド)+ダンベルフライ(アイソレート)
- スクワット(コンパウンド)+レッグエクステンション(アイソレート)
このように「大きな筋肉を全体的に刺激しつつ、特定部位に狙いを定めて補強する」ことで、より効果的な全身法が可能になります。
※必ずしも毎回のメニューに変化をつけなければいけないわけではありません。特に初心者の方は一つの種目に絞ってトレーニングを行った方が良い場合もあります。
🌐 2025年の筋トレトレンドとフルボディの親和性
2025年現在、以下のようなトレンドともフルボディは非常に相性が良いです:
• AIトレーニングアプリ:短時間・全身メニューに最適化されている
• スマートウォッチの回復スコア管理:全身の疲労度を可視化しやすい
• 「ながらトレ」・マイクロワークアウト:フルボディを分割して日常に組み込める
• 中高年・女性の筋力維持:全身トレーニングは加齢による筋力低下の予防にも効果的
🔎 まとめ|迷ったら全身トレーニングから始めよう
筋トレ初心者でも、忙しい社会人でも、「最短距離で体を変えたい」と思うなら、まずは科学的に裏付けられたフルボディトレーニングがおすすめです。
「今日は胸の日だから…」と悩む必要もありません。
全身をまんべんなく刺激し、回復を見ながら調整する。
それが、効率的かつ継続しやすい「本当に成果が出る筋トレ法」です。