効果的な筋トレのカギ「Time Under Tension (TUT)」とは
トレーニングにおいて、筋肉の成長やパフォーマンス向上を目指す際、重量や回数を意識しがちですが、そのほかにも筋肉が緊張している時間、すなわち「Time Under Tension(TUT)」を意識することが重要です。
TUTの重要性
筋肥大や筋力向上を目指す際、筋肉に適切な刺激を与えることが必要です。この刺激の一つとして、筋肉が緊張している時間、すなわちTUTが挙げられます。1セットあたりのTUTは40~60秒が最適とされており、これを意識することで筋肥大効果を高めることができます。
具体的なトレーニング方法

TUTを意識したトレーニングを行う際、以下の点に注意することが効果的です。
1. 反復速度の調整
1回の反復動作を4~6秒程度で行うことで、筋肉に適切な緊張時間を与えることができます。例えば、8回の反復を行う場合、1回の反復を5秒とすると、1セットあたりのTUTは40秒となり、最適な範囲内に収まります。
2. 総負荷量の管理
重量×回数×セット数で表される総負荷量を意識することが重要です。高重量で回数が少ない場合よりも、中程度の重量で回数とセット数を増やすことで、総負荷量を高めることができます。
例えば、100kgを4回3セット行うと総負荷は1,200kgですが、80kgを10回3セット行うと総負荷は2,400kgとなり、筋肉の仕事量が増えます。
※重量、回数設定は目的などによって変わります。
3. テンポの意識

動作のテンポを意識することで、TUTを効果的に管理できます。例えば、スクワットやベンチプレスなどの多関節種目では、挙上時に2秒、降下時に4秒といったテンポで行うことで、筋肉に適切な緊張時間を与えることができます。
また毎回行うトレーニングでのテンポを一定にする意識を持ちましょう。あるトレーニングでは、1回行うのに5秒、また別の日では2秒などテンポが異なると、同じ重さを同じ回数持ち上げていても筋肉にかかる負荷は大きく変わってきます。
トレーニングの原則に従って、重さを段階的に上げていっても、テンポが変わってしまっては強度が確実に上がっているかが不明確にもなります。ウエイトの重さを上げると心理的には早く終わらせたい心理が働き、テンポが早くなる事があります。重さを上げても基本的にテンポも変えない意識で行う事が重要です。
4. 種目の選択と順序
トレーニング種目の選択や順序もTUTに影響を与えます。多関節種目(動作において関節が2つ以上動く種目)で高重量を扱う際は、動作速度が自然と遅くなり、TUTが増加します。
一方、単関節種目(動作において関節が1つしか動かない種目)やマシンを使用する種目では、意識的に動作をゆっくり行い、TUTを確保することが重要です。
注意点
TUTを意識することは重要ですが、過度に動作を遅くしすぎると、かえって筋肥大効果が低下する可能性があります。特に、1回の反復時間が10秒以上の超スロートレーニングは、ある程度の重さがかけられず、筋肥大に有効でなくなる場合があります。
総合的に負荷やセット数、適切なテンポでトレーニングを行うことが重要です。しかしトレーニングの器具が限られたり、負荷や強度が上げられない環境ではTUTを長くするスロートレーニングは有効です。
まとめ
トレーニングの質を高めるためには、重量や回数だけでなく、TUTを意識することが重要です。適切な反復速度と総負荷量を管理し、筋肉に効果的な刺激を与えることで、筋肥大や筋力向上を効率的に達成することができます。
一般的には8回が限界に達するような重さをかけ、それを1回行うのに6秒程度かけます。基本的には降ろす動作に時間をかける事が重要な為、2秒で上げて、4秒で下げる、などを意識するのが良いでしょう。
自身のトレーニングにTUTの概念を取り入れ、より質の高いトレーニングを目指しましょう。