「厚みのある胸板が欲しい」「バストラインを整えたい」「服をかっこよく着こなしたい」——そんな思いを抱えるあなたに向けて、今回はジムで実践できる“大胸筋”を効果的に鍛えるおすすめ種目を5つご紹介します。
男女問わず、大胸筋の発達はボディラインに大きな影響を与えます。男性であれば力強く逞しい印象を、女性であればハリのある美しいバストラインを作ることができます。
それでは、厚く立体的な大胸筋を作るために実践したいトレーニング種目をご紹介していきます。
1. ベンチプレス(バーベル)

大胸筋トレーニングの王道、それが「ベンチプレス」です。バーベルを使って胸の中央を集中的に刺激できるため、ボリュームのある胸板づくりには欠かせません。
また、フリーウェイトの種目は体幹部分の支えや肩周りのインナーマッスルのコントロールなども必要なため、身体における機能的な部分もトレーニングできます。
バーベルベンチプレスは、大胸筋を中心に強い力を発揮できる代表的なトレーニング種目です。この種目を継続的に行うことで、大胸筋の筋力を高めることが可能です。
筋力を高めることのメリット
「重たいものを持ち上げたい」という目的がない場合でも、筋力アップには大きな利点があります。
筋力が高まると筋トレの“仕事量”が増える
筋力を高めることで、筋肉が扱える重量が増えます。これにより、トレーニングでの「仕事量」も大きくなるため、筋トレの効率が格段に上がります。
具体的な例で見てみましょう。
- 10kgのバーベルを10回挙げる場合 → 10kg × 10回 = 100kgの仕事量
- 100kgのバーベルを10回挙げる場合 → 100kg × 10回 = 1000kgの仕事量
同じ10回の動作でも、筋力が高まればこれだけの差が生まれます。
トレーニングの質と強度が一気にアップ
筋力が向上すると、より重い重量を扱えるようになります。その結果、同じ時間を使ったトレーニングでも、筋肉に強い刺激を与えられるようになり、トレーニング全体の“強度”がアップします。
これにより、筋肉の発達スピードや体の変化をより実感しやすくなります。見た目の変化を求める筋肥大目的の方にとっても、筋力アップは大きなメリットと言えるでしょう。
やり方のポイント
- ベンチに仰向けになり、胸や胸郭部分を持ち上げるように胸を張り、肩を下げて肩甲骨が寄った状態を作る
- 足裏全体を地面の踏ん張りやすい位置に置き、床に対して押すように踏ん張る
- 握る位置は手のひらの中央部分の安定する位置で、上腕が身体の横に来たときに肘が90°になる幅でバーを握る
- 後頭部や肩甲骨のあたりをしっかりベンチに当てて、バーベルをラックから外し、肩の真上くらいで構える
- 胸の張りや胸の高さを変えないように、ゆっくりバーベルを胸の中央に触れるところまで下ろし、同じ軌道で持ち上げる
初心者は重量を無理に上げず、フォームの習得を優先しましょう。
(参考動画)
2. スミスマシン・インクラインベンチプレス
上部の大胸筋を重点的に鍛えたいなら、「インクラインベンチプレス」がおすすめです。スミスマシンを使うことでバランスを気にせず安全に高重量を扱うことができます。
大胸筋上部を鍛える見た目のメリット
- 立体感・厚みが増す:胸全体に「立体感」が生まれ、厚くたくましい印象に
- Tシャツ・スーツ姿が映える:胸元が盛り上がって輪郭がくっきり
- 胸の垂れ予防(男女共通):加齢や姿勢による下垂を防ぎ、若々しいラインに
- 逆三角形の体型を強調:肩幅とのバランスで逆三角形のシルエットが際立つ
やり方
ベンチの角度を調整
- 30〜45度の角度が理想(高すぎると肩メインになる)
- 30°が特におすすめ
バーの位置を確認
- バーは鎖骨〜上胸あたりに下ろす(鎖骨から指2〜3本下)
- バーがラックにかかっている状態で、腕を軽く伸ばしたときにちょうど良い高さに調整
姿勢を作る
- 胸を張り、肩を下げて肩甲骨を寄せた状態を作る
- 足裏を床にしっかりつけて踏ん張る
- 手幅は肩幅より拳1〜1.5個分外側
- お尻をベンチにしっかりつけ、腰から首にかけて自然なアーチを作る
フォームの手順
- フックからバーを外す際は、バーを回転させる為手首のズレも考慮してバーを握る
- 息を吸いながらゆっくりバーを下ろす
- 下ろす位置は鎖骨〜上胸部あたり
- 胸に触れる or 少し手前で止める
- 息を吐きながらバーを押し上げる
- 回数をこなしたら、元のラックに戻す
(参考動画)
3. ダンベルフライ
大胸筋を「ストレッチさせる」ことに特化した種目がダンベルフライ。可動域が広く、筋繊維への刺激が強くなります。
フォーム
- ベンチに仰向けになり、胸郭を持ち上げ、軽く肘を曲げた状態でダンベルを構える
- 弧を描くように腕を開き、胸の伸びを感じる(肘は完全に伸ばさず90°よりやや開いた角度)
- 手首は軽く内側に曲げてダンベルを保持する
- 同じ軌道で腕を閉じ、肩の真上にくる手前で止める(負荷を抜けにくくする)
ストレッチを意識すると、筋肉の成長に非常に効果的。重量は無理に重くせず、まずはコントロール重視で行いましょう。
(参考動画)
4. マシンフライ(ペックデック)
フォームが安定しやすく、初心者から中級者まで取り入れやすい「マシンフライ」。収縮の刺激に優れているため、トレーニングの仕上げに最適です。
マシンフライではフリーウェイトなどでは得られない、大胸筋が一番縮んでいるポジションでも負荷を掛けらる事がメリットになります。フリーウェイトでは重力が負荷になる為ダンベルフライで持ち上げ切ったポジションでは、伸ばした腕の上に重りがただ乗っているだけの状態になってしまい、大胸筋に対する負荷は0になります。しかしマシンを使ったトレーニングなら前半に行った3種目では負荷がかならなかった領域でしっかりと負荷をかけてくれます。また動作の初期に置いては、伸ばされている筋肉が自動的に縮むという要素を含みますが、動作の後半では、自分の意思で大胸筋を縮ませなければ、後半の動作まで動かし切る事が出来ません、これを行うと事で、筋肉を自分の意識で使うという感覚が生まれ、他の種目においても大胸筋への効きが良くなります。
メリット
- 軌道が決まっているのでフォームが安定
- 狙いたい筋肉に集中できる
- 可動域を自在に調整できる
やり方
- バーが胸の中央の水平ラインに来る位置にシートを合わせる
- 肩甲骨をシートにしっかり当て、胸郭を上げて姿勢を取る
- グリップ・肘・胸が水平ラインに揃うように構える
- 息を吐きながら胸の中央に寄せてくるイメージで内側に動かす
- 息を吸いながら戻す(ウェイトを完全に置かず、筋肉の緊張を保つ)
5. ダンベル・プルオーバー
「胸と背中の境界」を強調し、胸郭を広げるのに役立つのがダンベル・プルオーバー。
ダンベルプルオーバーを行う事で、小胸筋や前鋸筋などの筋肉の機能が上がり胸郭を上げやすくなります。 小胸筋や前鋸筋が硬くなると、一般的に猫背や巻き型になり、胸をはるという事が行いにくくなります。胸のトレーニングでは、基本的に胸が張れていないと、大胸筋を効率よくトレーニングできません。プルオーバーを行い胸郭を上げ胸を張りやすくする事で大胸筋のトレーニングの質を上げます。さらに大胸筋の下には土台にあたる胸郭があり胸郭が上がる事で胸そのものの位置を引き上げ、姿勢が良くなります。
特徴
- 小胸筋や前鋸筋を使い、胸郭が開きやすくなる
- 胸を張る姿勢を取りやすくなり、大胸筋のトレーニング効率が上がる
- 胸の位置が引き上がり、姿勢改善にも有効
やり方
- フラットベンチに仰向けになり、両手で1つのダンベルを持つ
- 肘を軽く曲げたまま、頭の後ろまでゆっくり下ろす
- 胸の伸びを感じながら、元の位置に戻す
- 吸いながら下ろし、吐きながら戻すように意識する
(参考動画)
まとめ
大胸筋は「押す」「開く」「伸ばす」動作をバランスよく組み合わせることで、効率よく発達していきます。
今回紹介した5つの種目は、それぞれ異なる刺激を大胸筋に与えることができるため、組み合わせてトレーニングするのがおすすめです。
例:
- ベンチプレス(基礎の厚みや基礎的筋力向上)
- インクラインベンチ(上部強化)
- ダンベルフライ(ストレッチ)
- マシンフライ(仕上げ)
- プルオーバー(立体感&胸郭拡張)
週2〜3回の頻度で継続的に行えば、着実に厚みのある胸板や、美しいバストラインが手に入るはず。
トレーニングはバランスが大事。他の部位もバランスよくトレーニングを行いましょう。また、トレーニング後はしっかりとした栄養補給・休息も忘れずに!